猫はおおよそ1歳で大人の仲間入りです。その頃になったら、成猫用のキャットフードを食べさせてあげましょう。
成猫期に上質な餌を食べさせると、その後に控えている老猫期の元気や長生きにもつながります。若いうちから気をつける、長生きを見据えた成猫用キャットフード選び方・与え方を解説しますね。
成猫用のキャットフードを与えるのは1〜7歳くらいまでが目安です。それより若い猫は子猫用・幼猫用のキャットフードで、7歳以降の猫は老猫用キャットフードを与えるようにしましょう。
餌を切り替える時は2種類を混ぜて食べさせ、徐々に慣れさせるとスムーズに切り替えられますよ。
成猫用のキャットフードは味付けや栄養価が大人の猫用に調合されています。子猫用は体を育てるためにハイカロリーで、老猫用は肥満予防のためにローカロリーなので、大人の猫が食べると肥満や栄養失調になる危険があるんですね。大人の猫には、必ず成猫用の餌を与えるようにしましょう。
上質な成猫用フードを選んであげると、その後の老齢期を元気に過ごすための体づくりにも繋がります。ぜひ気を使って選んであげたいですね。
猫の健康に良い成猫用キャットフードの条件は、体を作る栄養素が豊富・安全である・病気が予防できる事です。それを叶えるキャットフードの選び方がこの5ポイントなんですね。
まず、肉食動物である猫に欠かせない栄養素が動物性タンパク質です。しかし、肉や魚なら何でも良いわけではありません。
中には、人間が食べるのに適さないグレードの4Dミートという粗悪な肉が使われているキャットフードもあるからです。成分表示を見てミートミールなど、○○ミールという表記があったら4Dミートの可能性があります。
できれば、人間が食べられる安全基準をクリアしているヒューマングレードのキャットフードを選ぶのがオススメですね。
肉が粗悪なだけでなく、市販のキャットフードには穀物を入れてカサ増しをしている商品もあるので注意しなくてはいけません。
穀物でお腹がいっぱいになってしまい、本来必要な動物性タンパク質が足りなくなってしまいます。猫が栄養失調にならないためにも、穀物を使わないグレインフリーのキャットフードを選ぶと良いですね。
キャットフードには毎日ご飯にあたる総合栄養食・病気の猫に与える療養食・猫用おやつなどの一般食があります。
ちゅ〜るやジャーキーのようなおやつをご飯代わりにあげてしまう飼い主さんもいますが、猫の健康を考えたら総合栄養食を毎日食べさせるべきなんですね。
パッケージをチェックすれば総合栄養食の表示があるので、買うときは必ずチェックするようにしましょう。
キャットフードには缶詰・パウチ・ドライフードなどいろんなタイプがありますが、最も添加物が少ないのがドライフードです。いわゆるカリカリタイプが最も安全でオススメなんですね。
パウチや缶詰と比べて水分が少ないため保存がきき、添加物が少なくて済むんです。缶詰やパウチはたまのご褒美程度にしておくのが良いですね。
猫は腎臓や尿関係の病気にかかりやすい生き物です。特に、腎臓・膀胱・尿道に結晶ができて、内臓を傷つけたり詰まらせてしまう尿路結石を起こしやすいんですね。3〜5歳の若い猫が発症しやすい病気なので、ちょうど成猫の元気な盛りが要注意の時期です。
その尿路結石の原因になりがちなミネラルがマグネシウムなので、成猫になったらなるべく控えてあげることが大切です。若くて元気な成猫に与えるなら、低マグネシウムのキャットフードが良いでしょう。
成猫用キャットフードを選ぶ条件はここまでのお話でバッチリですね。次は、成猫用キャットフードの与え方です。
まず、猫の健康管理で注意したいのが、肥満と食欲不振です。猫は必要な分量を自分で判断して食べる動物ですが、猫によってはあるだけ餌を食べて太ってしまう子もいるんですね。
逆に、普段は元気にご飯を食べていても、病気やストレスなどで猫の食が細ってしまう事があります。病気にかかっていた場合、食が細っている事に飼い主が気がつかないと、病気が重くなったり手遅れになる事もあるので注意が必要です。
そこで、キャットフードは量を測って与えるようにしましょう。体重や活発かおとなしいかなどの性格を基準に必要なカロリーを計算して与えると、肥満を防いだり食べ残しから病気に気付く事ができるんですね。
ここまで健康な成猫向けのキャットフードについて解説しましたが、中には毛玉を吐きたがったり、ちょっと太り気味の猫もいますよね。それに合わせたフードも売られていますが、本当に必要なのでしょうか?
猫は毛づくろいなどで飲み込んだ毛を、毛玉にして吐き出す生き物です。それはあくまで猫の自然な姿なのですが、見守る飼い主は辛いですよね。
そこで、キャットフードに繊維質を増やして便と一緒に毛を出してしまうのが毛玉対策・ヘアボールケアタイプのキャットフードです。
ただ、繊維質を増やしてしまうとその分タンパク質の量が減ってしまうことになり、栄養価の面では毛玉対策のフードはあまり良いと言えないのが実際のところです。
毛玉を吐くのは猫の自然な姿と考えて、それよりはタンパク質が多くマグネシウムの少ないフードをシンプルに選んだほうが良いですね。
どうしてもたくさん食べたがる食いしん坊な猫には、低カロリーで低脂肪なダイエット用キャットフードを食べさせるのも方法です。横から見てお腹が丸く垂れ下り、肋骨の上に脂肪が乗ってきたらちょっとおデブ猫のサインなので、こまめに体型をチェックしてあげたいですね。
ただ、ダイエット用のキャットフードでなくても、30〜40%餌の量を減らして体重が減るのをじっくり待つという方法もあります。猫のダイエットには知識も必要なので、もし太らせてしまったら獣医さんに相談するようにしたいですね。
環境省の資料によれば、室内飼いの場合猫の寿命はおおよそ16歳前後と言われています。なんと、成猫用のご飯を卒業してから老猫期が10年程度続く計算なんですね。
ずっと元気で長生きしてもらうためには、成猫期の栄養状態の良さが影響します。しっかり動物性タンパク質を与える・尿路結石などの病気に気をつけたキャットフードを食べさせるなど、長い老猫期に向けた体づくりを成猫期にしてあげましょう。