市販のキャットフードでは添加物や原材料の安全性が心配、特別な日なのでおいしいものを食べさせてあげたい、いろんな理由で猫のご飯を手作りしたい時ってありますよね。
ただ、猫は人間と体の構造の違う生物です。必要な栄養素も食べられる食物も全く違うんですね。しっかりとした知識を持ってご飯を作らないと、かえって猫の健康を損なう事もあるんです。
そこで、猫用手作りフードについての正しい知識や、簡単なレシピの紹介などをしたいと思います。
メリット | デメリット |
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その子にあった栄養補給ができる 猫にしっかり愛情を伝えられる 良い原料を厳選してご飯が作れる | 知識を持って作らないと栄養失調の危険も 頑張って作っても猫が食べてくれない事も お金や手間がキャットフードよりかかる |
手作りの餌を作るには栄養の知識が必要です。後で説明しますが、間違った手作りフードは猫の栄養失調につながってしまう場合もあるんですね。
しかも猫は気まぐれな生物なので、お金や手間をかけてフードを手作りしても食べない事もあります。たとえ食べてくれなくても作る、という気持ちの強さも必要ですね。
手作りの餌だと、その猫に合ったオーダーメイドの栄養補給ができるメリットがあります。
便秘がちな猫なら食物繊維の多い野菜を、育ちざかりの猫にはタンパク質豊富なお肉を増やすなど、その子に合わせた工夫ができるんですね。ただ、これには猫に必要な栄養についてしっかり勉強しないといけません。
便秘を治そうと野菜を与えすぎてはタンパク質が不足しますし、タンパク質が豊富だからと生肉を食べさせてしまうと寄生虫がついている場合もあります。
なので、猫が毎日食べるご飯のレシピはプロにしか作れないと考えましょう。
手作りフードの中には、お店で作って売っている猫用ケーキやクッキー、ボーロなども含まれます。これは、猫の害になる成分を抜いただけで、油脂、米や小麦粉、野菜、でんぷんを使っているお菓子なんですね。
あくまで「猫が食べても害が無い」おやつなので、こういったお菓子では食事の代わりにならない事を覚えておきましょう。おやつを与えすぎると肥満や栄養失調の原因になってしまう場合もあるんですね。
たとえ素材に気を使っていて手作りでも、人間と同じ食事を猫に与えるのは絶対NGです。香辛料・ぶどう・たまねぎ・塩分など、人間にとっておいしい食材が猫にとっては毒になります。
また、ご飯やパスタなど、炭水化物の多い食事も肉食動物の猫には良くありません。タンパク質の不足や肥満を引き起こす場合があります。
昔は残ったご飯に味噌汁をかけた、いわゆる猫まんまを食べさせて猫を飼っていました。でも実は、猫まんまは体に良くない食事だったんですね。
ここまで説明した通り、猫に毎日のご飯を作ってあげるのはとても知識が必要な事なんです。ただ、食欲がない時や特別な日に、手作りフードを食べさせてあげたい事もありますよね。
そんな時のために、茹でるだけで猫が食べられる食材を紹介したいと思います。食材同士やドライフードを混ぜて、簡単手作り猫ご飯の出来上がりですよ。
いずれも塩気のない食材を使いましょう。寄生虫がついている場合もあるので必ず火を通すようにしてくださいね。それぞれタンパク質や食物繊維、ビタミンが豊富な猫の体に良い食材です。
ただ、ササミは尿路結石などの原因になるミネラルが多いですし、ブロッコリーは食べすぎると甲状腺機能の低下などの危険性があります。
なので、毎日のご飯はドライフードで、特別な日だけ手作りフードを食べさせると良いですね。ちなみに、手作りの餌は腐りやすいので置きっ放しにしないようにしましょう。
手作りフードを毎日の食事にするのはいろいろと難しい、というのがここまでのお話でした。ただ、それでもオリジナルの手作りフードを毎日作ってあげたいという人もいるかも知れませんね。
その場合は犬や猫の栄養学について学べる資格があるので、しっかり勉強してから手作りフードのレシピを考えると間違いありません。
資格名 | 認定する組織 | 資格をとる方法 |
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ペット栄養管理士 | 日本ペット栄養学会 | 指定の講習会を受けた人か 、動物に関する課程を専門に学んでいる人などが受験可能 |
ペット食育指導士 | APNA | APNA主催の講座を受けて試験に合格すればOK |
ふたつを比べると、誰にでもチャレンジしやすいのはペット食育指導士のほうと言えます。専門学校やその分野の大学で学んでいなくても、講習や試験を全国で受ける事ができるので便利ですね。
興味のある人は、お住まいの地域の講習情報を検索してみて下さいね。
もし猫を長生きさせたいなら、良質なキャットフードを食べさせるのが一番簡単で確実な方法と言えます。
パッケージを見て総合栄養食と書かれていたら、それは猫に必要な栄養素がしっかり入ったキャットフードという意味なんですね。これさえ食べていれば猫は元気に生きていく事ができるんです。
しかし、猫は自分に向けられた愛情をちゃんと理解する生物です。そして、たっぷり愛情をかけるのも猫を飼う楽しみのひとつですよね。
なので、たまには手間暇かけて手作りのご飯をあげて、猫ちゃんと愛情のキャッチボールをするのも素敵ではないでしょうか。