いつも食べていたキャットフードなのに急に食べなくなった、新しくお迎えした猫に食欲が無いなど、ご飯の食いつきが悪いと心配ですよね。
その原因は大きく分けてふたつ考えられます。ひとつは猫の好みや気分などの問題です。これは工夫で乗り切れる場合も多いので、その方法を解説しますね。あともうひとつ、心配なのが病気の可能性です。食欲がなく獣医さんに連れて行った方が良い場合の判断基準など、これもまとめてお伝えしますね。
猫は喋る事こそできませんが、いろんな事を考えたり感じています。なぜうちの猫は餌を食べないの?どうしたら食べてくれるの?その疑問にお答えする情報を集めました。
新しい家族として家に猫を迎えたはいいけれど、なかなかご飯を食べてくれないのはよくある事です。また、獣医さんからもっと食べた方がいいと言われている猫もいますよね。そんな時は、猫の食いつきを良くする5つの対策を試してみましょう。
トッピング・餌の種類・与え方・食べる場所も大事なんです。具体的な対策方法を解説しますね。
まず、猫が大好きなものを餌にトッピングしてみましょう。猫はかつおぶしが大好物なので、ちょっと振りかけてあげるだけでも食いつきがグンと良くなりますよ。しかし、かつおぶしはマグネシウムが多く尿管結石などの原因になる事があります。あまり与えすぎないよう気を付けましょう。
マタタビも食欲を刺激するので、粉末のものを爪研ぎやおもちゃに忍ばせたり、ご飯に振りかけてあげると食欲が出る場合があります。しかし、マタタビは子宮刺激作用があるとされているので、妊娠している猫に与えるのはやめましょう。
実は、選ぶフードが粗悪だと猫は食べない場合があります。穀物などでかさを増した炭水化物が多い餌だと「こんなのいらない!」という態度をとる場合があるんですね。
本来猫は肉食なので、餌は動物性たんぱく質が豊富なものが理想です。あげている餌の成分表示をチェックして、穀物が入っているようなら肉や魚が多く使われた上質な餌に切り替えましょう。食いつきが全く違ってくるはずですよ。
猫は個性的な生き物で、何でも食べる子もいれば自分の好きな味しか受け付けない子もいます。とにかくいろんなフードを試してみて、猫が「これ、好き!」という反応を示すものを見つけるのも方法です。
でも、1度気に入って食べていてもある日突然飽きるのが猫という生きものです。今まで好きで食べていても、明日はわかりません。そんな時はまた餌を変えて、新鮮な気持ちで食欲が湧くように工夫してあげたいですね。
餌そのものも大切ですが、ご飯を食べるスペースの快適さも大切です。静かで清潔が保たれているか、猫の気持ちや目線になってチェックしてみて下さい。汚れていたら掃除を、食べるのに邪魔な音や物があれば無くしてあげましょう。環境が整えば、嘘のように餌を食べ始める事もありますよ。
引越しなどで環境が変わってもショックで餌を食べなくなる場合があるので、環境が変わる場合は匂いのついたトイレを砂ごと持って行くなど、猫が安心できる環境を整えてあげると良いですね。
あと、子猫や老猫など食事が食べにくくなっている猫に効果的なのが、餌をすりつぶして水を混ぜてペースト状にする方法です。何かの理由で緊張状態になっている猫や、神経質な猫にご飯を食べさせるきっかけにもなるので、ぜひ試してみて下さいね。
餌の匂いのついた手で触ってやり、声をかけたりして猫をリラックスさせます。餌のいい匂いにつられて指につけた餌を舐め始めたら、本格的にペースト状にしたキャットフードを食べさせてあげて下さいね。
ここまである程度元気な猫のお話でしたが、ある日突然猫の食が細くなった時に考えなくてはいけないのが病気の可能性ですよね。猫が病気になった時、概ねの場合は食が細くなります。場合によっては全くご飯を食べなくなる場合もあります。
ただ、さきほど触れたように、猫は自分が食べたくなければ餌を食べない生き物です。ここではまず、ただの気分なのか本当に獣医さんに連れていったほうが良い状況なのか、その判断基準から解説しますね。
もし、猫が「なんだか僕、今食べたくない気分なの」という時は、どのくらいの期間食べないものなのでしょうか。ご飯を食べなかったら危険な期間の目安は月齢によって変わるので、猫の年齢と照らし合わせて確認します。
大人の猫なら、丸一日食べなくてもそれは猫が食べたくない気分だった可能性があります。逆に、24時間以上食事を食べないようなら、ほかに症状が無くても病院へ連れて行ってあげましょう。
特に太った猫が36時間以上絶食するのはとても危険とされています。肝臓に脂肪が溜まって脂肪肝という病気になり、発見が遅れると助からない場合もあります。肥満の猫の食欲不振は、特に注意して見守ってあげる必要があるんですね。
食欲不振がある場合、ほかに体調不良がないかチェックしてあげる必要があります。トイレや毛並み、行動などに病気のヒントが隠れている場合があります。じっくり観察して、危険な兆候があるようなら獣医さんにすぐ連れて行きましょう。
見るべきポイント | 気をつけたい症状 |
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【1】毛並み | 汚れ・ごわつき・乾燥など 何かしら毛並みが悪い |
【2】トイレ | 尿の回数が少ない 尿に血が混じる 尿を漏らしている 下痢をしている 3日以上の便秘 |
【3】行動 | 触られるのを嫌がる 1カ所に隠れて出て来ない 頻繁に毛玉や食物を吐く 異常に水を飲みたがる ずっと鳴き続ける |
まず、毛並みが汚れていたりごわごわ乾燥していたら注意しましょう。体調が悪くて毛づくろいが十分に出来ていない可能性があります。あと、トイレも必ずチェックしてあげましょう。便や尿の回数が少なかったり、血が混じっていないか必ず調べて下さい。
あと、猫はどこか痛い時に触られるのを嫌がったり、具合が悪い場合は1ヶ所に隠れて丸1日出て来ない事もあります。尿を漏らしたり何度も毛玉を吐いていたり、異常に水を飲みたがるなども体調不良のサインなので、猫の行動を良く観察しましょう。
食欲不振のほかに表のような症状があれば、すぐ獣医さんに連れて行って下さい。病気が隠れている危険性が高い状態です。
参考:一般社団法人日本臨床獣医学フォーラム・猫の病気について
いろいろ工夫してるのに、どうしてお前は餌を食べないの?と猫を叱りたくなってしまう時ってありますよね。でも、猫には猫の食べない事情があるんです。人間にできることは、その事情を察して対策してあげたり、いろいろ試して猫の気に入る方法や食べ物を見つける事だけです。
猫は個性的な生き物なので、餌を食べない猫が10匹いれば10種類の理由が考えられます。でも、自分に対して一生懸命になってくれる人間を理解するのも猫という生き物なんですね。
スキンシップをしっかり取って信頼関係を築けば、こちらの「ご飯を食べて元気になってほしい」という気持ちが不思議と通じる事があります。24時間以上全く餌を食べないなど緊急性が高くない限り、ご飯を食べるまでじっくり猫に付き合ってあげましょう。