長生きできる体を作ってあげたい、シニア猫だから消化に良いものを与えたい、どちらも飼い主の愛ですね。
そんな時に選びたいのが、グレインフリーのキャットフードです。
穀類を含まないフードの事で、太りにくく栄養豊富、アレルギーのリスクも低いんですよ。
長生きのためにグレインフリーのキャットフードを選びたい、その理由を紹介したいと思います。
まず、グレインフリーとは何か、どんなメリットがあるのかを説明しますね。
グレインフリーとは、穀物を使わないという意味です。
普通のフードのようにトウモロコシや麦が入らないので、自然とお肉や魚の割合が増えるんですね。
つまりタンパク豊富で良質、栄養が濃いキャットフードだと言えるんです。
また、猫の元気な動きを作る筋肉はタンパク質から作られます。
小さいころからタンパク豊富なグレインフリーのフードを与えておけば、強いボディが育つんですね。
15歳を超えてもキャットタワーにピョン!と飛べるボディを作るなら、グレインフリーが良いんです。
一方で、グレインフリーのキャットフードは消化に良いメリットもあります。
生物学上、犬は雑食で穀物の消化がある程度できますが、猫は肉食なので穀物の消化が苦手です。
つまり、胃腸の消化能力が落ちているシニア猫だと、穀物入りの餌はより負担になるんですね。
シニア猫を思いやるなら、穀物不使用のグレインフリーキャットフードで消化の負担を減らしてあげましょう。
ただでさえ、体が衰えたシニア猫にとって消化は体力を使う大仕事です。疲れて寝たままでは気の毒ですよね。
長生きなだけでなく、充実した猫のシニアライフのためにもグレインフリーのフードが役立ちますよ。
また、ご飯などの穀物はカロリーこそありますがタンパクやビタミン、ミネラルはあまり多くありません。
なので猫は本能的に「物足りないかも?もっと食べたいな」と感じ、餌を多く食べる事があるんですね。
その結果、必要な栄養は足りないのにカロリーオーバーになり、猫の肥満が起こりがちになります。
環境省のページでも「猫に米飯を与えないほうが良い」と言っているほどの事です。
にもかかわらず、スーパーやホームセンターで売っているキャットフードには未だに穀物入りが多いんですね。
人間も猫も、肥満は心臓や肝臓の疾患など命に関わる生活習慣病を招きます。
予防のために、グレインフリーのキャットフードで体重をコントロールしてあげましょう。
メリットの多いグレインフリーのフードですが、腎臓のトラブルを抱えた猫には向かないという説もあります。
それは穀物が含まれないキャットフードだと肉の割合が多く、タンパク質の比率が増えるせいです。
猫の筋肉を育てるタンパク質ですが、腎臓が弱っている猫、老猫だと消化不良を起こす事があるんですね。
しかし、腎臓ケアが必要な猫、歳をとった猫にも向いているグレインフリーのフードもあります。
シニア猫や腎臓トラブル持ちの猫に向くグレインフリーフードについて説明しますね。
鶏肉由来のグレインフリーキャットフードはかなりタンパク質が多いですが、魚由来だと程よいタンパク量です。
カロリーも少ないので、運動量が落ちて太りやすくなったシニア猫や腎臓が弱った猫にも良いんですね。
その子の病状にもよるので基本は獣医さんと相談ですが、腎臓ケア中でもグレインフリーのフードはOKです。
さらに、グレインフリーのキャットフードで尿路結石の予防ができるタイプもあります。
カルシウムやマグネシウムなど、ミネラル分を調整して石が出来にくいよう調合したフードなんですね。
大人の猫の死因で最も多いのが泌尿器系の病気、つまり尿路結石です。
猫の長生きを目指すなら、グレインフリーで尿路結石対策できるものを選べば万全ですね。
ちなみに、よく混同されるのがグレインフリーとグルテンフリーです。
グレインとは穀物そのもの、グルテンとは小麦などの穀類に含まれるタンパクの一種なので違いがあるんですね。
ご存知の方も多いかと思いますが、グルテンは小麦アレルギーの原因になる物質です。
つまり、アレルギー体質の猫でもグルテンフリーのフードなら食べられるんですね。
ハイカロリーな小麦を含まない意味で、グルテンフリー=ダイエットというイメージも浸透しています。
しかし、グルテンフリーのキャットフードでも、グルテンを持たない米やトウモロコシの穀類なら配合OKです。
グルテンフリーだからといって、必ずローカロリー高タンパクとは限らないんですね。
あくまで、グルテンフリーは小麦アレルギーを持つ猫の飼い主さん向けの安心マークと考えましょう。
一方、穀物を全く含まなないグレインフリーならグルテン入りの小麦は当然含みません。
つまり、グレインフリーとはグルテンフリーの意味を含むので、アレルギーの猫でも食べられるんですね。
しかも、グレインフリーならトウモロコシや米も不使用なので、より高タンパクの良質な餌と言えます。
選ぶなら、グルテンフリーよりもグレインフリーのほうがメリットが大きいんですね。
しかし、グルテンフリーの表示基準が国によって違うので注意が必要になります。
日本国内のグルテンフリーは数ppm以内の小麦総たんぱく量という、大変厳しいものです。
対して、EUやアメリカの基準は20ppmと日本より規制が少しゆるやかなんですね。
なので、小麦アレルギーを持つ猫のフードは国産か、日本メーカーのものを買ったほうが安全と言えます。
しかし、缶やパウチにグレインフリーのものが見つからない、という事もありますよね。
歯が無い老猫、好き嫌いが激しくてウェットしか食べない、そんな時も実は心配いりません。
グレインフリー表示は近年広がった常識ですが、なぜかドライフードにだけ表示される事が多いんです。
缶やパウチなどのウェットフードにもグレインフリーのものは多く、高栄養価のものがいっぱいあります。
気になるおやつやウェットの猫缶を買う時、裏の成分表示をチェックしてみましょう。
表示に穀類がなければそれはグレインフリーの商品なので、ぜひ買ってあげて下さいね。
しかし、肉食動物の猫専用のご飯なのに、なぜ穀類を入れるの?という疑問もありますよね。
その答えは、コストを安く抑えたり食いつきを良くするためだったりします。
穀類は肉より安いですし、栄養不足を感じた猫はガツガツその餌を食べるようになります。
何も知らないと飼い主は「うちの子、このフード大好きなのね」と思い、その餌をまた買ってしまうんです。
実は、人間側の都合で猫の性質に合わないフードを食べさせてしまっていた実情があるんですね。
選ぶならやはり、グレインフリーのキャットフードが良いと言えるでしょう。
最後に、グレインフリーキャットフードの選び方やメリットをまとめますね。
栄養バランス、アレルギーのリスク低減、病気予防など、グレインフリーのフードはメリットが多いんですね。
特に、肥満による生活習慣病で命を落とすのは猫も人間も変わりません。
心臓や肝臓の病気で猫を失わないためにも、グレインフリーのフードで栄養管理するのが良いんです。
できればローカロリーでタンパク質が多すぎない魚由来のフード、尿路結石対策してあるものも良いですね。
フードを正しく選んでこまめに健康チェックをすれば、猫が長生きする確率はグンと上がります。
猫のご飯選びをしっかりと、ぜひ一緒に20歳の誕生日をお祝いして下さいね。