一度猫と暮らしてしまえば、もうその子のいない生活なんて考えられませんよね。老猫と言われる年齢まで一緒に暮らしたならなおさら、元気に長生きしてほしいのが飼い主みんなの願いです。
できれば15歳以上、もっともっと20歳まで長生きしてもらうには、徹底した栄養と食事の管理が大切になります。ここでは、老猫用キャットフードの選び方や与え方など、シニア猫が元気に長生きできる食事について解説します。
猫が老齢期に入るのは6〜7歳からと言われています。老猫用のキャットフードへの切り替えも、7歳くらいまでにはしておきたいですね。
餌を切り替える時は、今までの餌とシニア猫用の餌を混ぜて食べさせ、徐々にシニア猫用キャットフードの比率を上げていきましょう。
老猫用のキャットフードは、若い猫用に比べてローカロリーで消化に良く、関節や心臓に良い栄養素を増やしてシニア猫の健康管理や長生きを考えた配合がなされています。
特に心配なのが、猫は歳をとると栄養を吸収する機能が落ちるので、本能的にたくさんご飯を食べて栄養を補おうとしてしまう点です。もし、ハイカロリーな餌を食べ続けると、そのまま肥満になってしまう危険があるんですね。
肥満から来る病気で寿命を縮めないためにも、シニア猫には老猫用キャットフードが必要なんです。
ちなみに、11歳・15歳・18歳用ともっと高齢の猫用に売られているキャットフードもあります。これらの超高齢猫用のフードは、普通のシニア猫用と比べてより消化によい・噛みやすく柔らかい・便秘に配慮してオリゴ糖を配合しているなどの違いがあります。
年齢で区切って与えるというよりも、歯が抜けて食事を食べにくそうにしている時、食欲不振や便秘になってきた時に超高齢猫用のキャットフードに切り替えても良いですね。
ここまで老猫用キャットフードの特徴について説明しましたが、実際に選ぶ時は何を基準に選べば良いのでしょうか。一見難しそうに見えますが、シニア猫用キャットフード選びでチェックすべき条件はたった5つなんです。
老猫になると運動量が減り、寝たりじっとしている時間が多くなります。しかし、消化機能の衰えを補うためにたくさん餌を食べようとするので、肥満にならないようカロリーのとりすぎに注意しなくてはいけません。
その点、ローカロリーの餌ならたくさん食べても肥満になりませんし、猫の「いっぱい食べたい!」という気持ちを叶えてあげる事もできるんですね。
猫は腎臓や尿に関する器官に病気を抱えやすい生き物です。猫の死因でも腎臓の病気がとても多いんですね。15歳以上の猫の3割が慢性腎臓病であるというデータもあるほどです。
その中でも、腎臓や膀胱などに結晶ができる事で、内臓を傷つけたり尿が出る経路を詰まらせてしまう尿路結石という病気があります。その原因になるのがリンやマグネシウムなんですね。
腎臓病で寿命を縮めないために、シニア猫にはこのリンとマグネシウムを抑えた餌がオススメです。
猫は老齢期に入ると、関節が傷んできて運動したがらなくなります。早くから餌でコンドロイチンやグルコサミンなど関節ケア成分を補ってあげると、歳をとっても元気に動き回れる体が作れるんですね。
運動ができると全身の健康状態が良くなり長生きに繋がりますし、猫の一生がもっと幸せなものになりますよね。
タウリンとはアミノ酸の一種で、猫にとって心臓や目の健康維持に欠かせない栄養素です。特に心筋症など心臓の病気は命に関わるので、タウリン豊富なシニア猫用キャットフードを選びたいですね。
老猫は胃腸の消化吸収能力が落ちていますので、消化に良い餌を与える事も大事です。若い猫なら肉を原料にした高タンパクなキャットフードが良いのですが、老猫の場合はやや消化に負担なんです。
それなら、魚のタンパク質を含んでいたり、消化に良いサツマイモやジャガイモなどを含んでいる餌が理想的ですね。シニア猫用のキャットフードは原料をチェックして買うようにしましょう。
老猫に与える餌の大事なポイントがわかったところで、次は量と与え方です。1日に必要なカロリーは体重で求める事ができるので、計算して餌を用意してあげましょう。
老猫は体調が突然変わったり病気のリスクも高いので、食欲をチェックする意味でも餌をどれくらいあげたか把握しておきたいですね。
猫は高齢になると食欲が無くなる場合があります。そんな時は餌をふやかしたり、好きなおやつを餌にトッピングしたりして食欲が出るよう工夫してあげましょう。
ただ、猫が24時間以上何も口にしなかった場合は体調不良の可能性があるので、獣医さんに連れて行くようにしたいですね。
最近は猫の寿命も延びて、おおよそ16歳くらいまで生きるのが普通の時代です。それを受けて、子猫・成猫期からシニア猫になるまでずっと食べられるフードが人気なんですね。
餌を切り替えるタイミングに悩む必要がなく、年齢の違う猫を多頭飼いしている場合にもみんな同じ餌で良いというメリットがあります。
食事と栄養のケアをしっかりしてあげれば、猫も20年近く元気に生きてくれる時代です。大事なパートナーともっともっと長く一緒にいられるよう、キャットフードは慎重に選んであげましょう。